借りている部屋が競売に!?そのとき取るべき対策は?

自宅は、持ち家派?賃貸派?最近は、不動産神話も崩壊し、賃貸派の方も増えているようです。私自身は、自宅は賃貸でも持ち家でも、どちらにもメリットとデメリットがあり甲乙付けがたいと思っていますが、そんな中、賃貸派の方には、唯一対策できないことがあります。それは、「自宅が競売されることを予測できない」ことです。

競売はある日突然に。


持ち家であれば、自宅が競売されることはある程度予測できます。それはつまり、自分が住宅ローンを払えていないから。様々な事情はあるでしょうけど、自宅が競売に掛けられる大多数は、借入金を返済していないからです。ですから、持ち家の方は、住宅ローン(そのほか自宅を担保にお金を借りていればその借金)の返済が滞っているから、競売されるのです。ですが、賃貸派の方は違います。賃貸物件では、ご自身がまじめに家賃を払っていようとも、大家さんが借入金の返済を滞った場合には、そのマンションは競売されることになります。ご自身はきちんと家賃を払っているのですから、まったく寝耳に水なわけです。
ご自宅が賃貸物件の方は、十中八九、執行官の来訪で自宅が競売に係っていることを知ることになります。競売に掛かった不動産の売却価値を調べるために、執行官が現地調査に来るのです。

執行官の現地調査は拒否できない!?

競売申立があった後、裁判所は、比較的早いタイミングで物件を調査します。競売という手続きが不動産を売却する事を目的としているので当然と言えば当然かも知れませんね。そして、裁判所から調査を命じられた執行官が現地にやってきます。執行官は強い権限を持っていて、調査のために家の中に入ることが出来ます。たとえ、居住者であるあなたがが留守の場合でも、また入室を拒否したとしても・・・。
ただ、調査でトラブルになりたくない執行官は、たいていの場合、部屋の中を見に来る前に、一度呼び鈴を鳴らします。あるいは手紙を残します。「今度部屋の中を見に来るから在宅して下さいね」。そう。賃貸派の方はこの時はじめて自宅が競売されていることを知ることになります。(ちなみに在宅してなくても勝手に入るのでお仕事を休む必要はありませんよ。在宅した方がイヤなことはイヤだといえますケド、言えるだけだし。)

現地調査されるとどうなるの?


執行官は、あくまでも不動産の価値を調べに来ます。ですから、ご自宅に高価な家具や大きな金庫があったとしてもまったく気にしません。もちろん金庫を開けて中を見せて下さい、と言われることはないのです。ただし、建物の価値を調べるために雨漏りがあるかないか、等はもちろん、賃貸借契約の中身はどうなっているのか、家賃は滞納していないか、果ては部屋の使い方が良いのか悪いのか、を調査されることになります。そのため、部屋の写真が何枚か撮られることになります。普段部屋が片付いていないとドキッとしますよね、見ず知らずの執行官が留守中やってきて部屋の写真を撮って帰るなんて、考えただけでも気持ち悪い・・・そう思う方もいるかも知れません。でも執行官も仕事でやっているのですから、気持ち悪い、なんて言ったら、ちょっとかわいそうかも知れません。
そして、ここで撮影した写真は、なんと!競売情報として公開されます。もちろんプライバシー保護のため洗濯物や郵便物など一部を黒塗りされるのですが、散らかっている部屋か片付いている部屋かは一目瞭然です。見られたら恥ずかしいお部屋の方は今のうちからお掃除しておいて下さいっ!

で、結局どうすれば良いのよ。


いきなり執行官から連絡が来て、検索でこのサイトに辿り着いた方は、結局ここが知りたいと思います。結論から申し上げますと、今は何も出来ません。
競売という手続きに入った以上、部屋を借りているだけの立場であるあなたには、出来ることは何もないのです。
強いて挙げるなら、古い賃貸借契約書、出来れば入居当時の賃貸借契約書を探して下さい。賃貸借契約が古ければ有利なことが色々とあります。場合によっては、出て行く、出て行かないに大きく関わることもあるのです。
あと執行官には出来るだけ協力的に対応した方が良いです。反発したって強制的に調べられるのがオチですから、それだったら協力している方が、執行官だって人の子、色々教えてくれることもあります。だって、あなたがとばっちりを受けている被害者であることはプロである執行官もよーく知ってますから。
そのためにも古い賃貸借契約書を頑張って探してコピーを提出して下さい。もし「そんなの捨てちゃったー」とか、「探したケド見当たらない・・・」となっても大丈夫!「○年○月から入居してます!」って事ぐらいなら調べられるでしょ?とりあえず、これくらい分かっていればOK!十分配慮して貰えます。執行官にはしっかり伝えましょう。

以上、借りてる部屋が競売になったときの対策を書いてみました。

やっぱり不安だ!という方は専門家(弁護士)に相談してみましょう。中途半端なコンサルや専門家を名乗る人や、全然関係のない不動産屋さんには十分注意して下さいね。(弁護士を除いて競売処理の公的な専門資格はありません。)