本当に安く買えるのですか。

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安く買えるかどうかは、トータルで見ると分かりません。
例えば、市場価格が3,000万円ほどの不動産が、適正価格が2,500万円だと鑑定されていた場合、最低競売価格(基準価格)は1,375万円とされることが予想されます。
あなたが、最低価格の1,375万円で入札して、落札できたとしても、そこには占有屋と呼ばれるような占有者がいたとすると、その退去にかかる費用は、引渡命令が出たとしても、手続費用(執行官費用、弁護士費用)だけでおよそ70万円から80万円掛かります。
無事に強制的に退去させることが出来たとして、そこに大量のゴミが放置されており、この処分費がおよそ150万円ほど掛かるとすると、そのトータルコストは約1,600万円ほどとなります。
しかも、この手続には通常3か月から6か月ほど掛かります。この間、あなたは不動産を取得したものの使用収益する出来ないことになります。こうして明け渡しが完了しリフォームなどを経て、初めて、あなたが使用収益することが出来るのです。借入をして購入したのであれば、支払いは始まりますし、自宅として購入したと言うことであれば、代わりの住居を確保し、家賃などを支払って明渡、改装が済むまで待つことになります。これら時間的損失にも注意しなければなりません。
また近年、競売物件に一般の方が参加しやすくなったことから、競落価格が基準価格を大幅に上回ることがよくあるようです。上のような例で競落価格が2,500万円を超えることも散見されています。
競売物件といえども一概に安く買えるとは言えないのです。つまり、当事務所にご依頼いただきましても、必ず安く買えるという訳ではないことにご注意下さい。

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このページは、白浜法律事務所が2012年1月13日 18:18に書いたブログ記事です。

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